木村― この「ファイブエル」という雑誌は、50代向けの雑誌なんですが、この世代はそろそろ定年を迎えますよね。どうしたら十朱さんのように輝いていられるんでしょうかね。
十朱― いえいえ、私だって同じテーマを抱えていて、これから先、健康面と精神面を充実していくにはどうしたらいいだろうと、やっぱり探してますわ。
木村― そうなんですか。
十朱― 近い目標がいつもあるというのが理想ですよね、あんまり遠いんじゃなくて。
木村― それに、やっぱり夢を失わないことですかね、若さを保つ秘訣というのは。
十朱― 夢というとちょっとオーバーなんですけど、やっぱり社会生活からおきざりにされないところで生きていたい。人間って、求められると生き生きとしますもの。だから、求められる位置にいたいというのかしら。
木村― いつでしたか、見たいものが3つあるとおっしゃっていましたね。生えてるマツタケと流氷とオーロラを見たいと。
十朱― マツタケは何年か前に、京都で、見事なマツタケ狩りができたんですよ。
木村― それはたぶん、みなが前の日、十朱さん用に一生懸命植えたんだと思いますよ(笑)。
十朱― オーロラはね、飛行機の上から見たんですけど、ただ白くて、私が見たいオーロラじゃなかったんで、また見たいですね。
木村― 流氷は北海道へ行けば見られますよね、冬に紋別へ行けば。
十朱― 流氷が来るところとか離れるところが見たいんです。それから流れ星も見たことなかったんですが、しし座流星群とかふたご座流星群とかで見ることができてうれしかった。あと、アフリカでサファリをしたいというのも一応やったんです。あとなんだったかしら……。
木村― あと結婚ですか。
十朱― 結婚はこの年だとねぇ、遅いでしょうね。
木村― でも、「もう遅い」とかそういうのは十朱さんの信条に反するんじゃないですか。
十朱― いや、人とつき合うって、気力とか体力が要りますから。「そっちに使いたくないわ」というのがあるんです。でも、したいんですけど……やっぱり相手があることですから、そうもいかないでしょう。
木村― 十朱さんからごらんになって、魅力があるなと思われるのはどういう男性ですか。
十朱― 最終的には包容力がある人かなあ、と思うんですね。もうこれからだと、さらに心に余裕のある人じゃないと……。振り回されたりするのは……。
木村― 世間では「チョイワルオヤジ」がいいとか言ってますけど。
十朱― ちょっと不良というのは、なんかチャーミングでいいですね。
木村― これからの夢というか、一番なさりたいことはやはり舞台ですか。
十朱― 舞台だけじゃないんですけど、夢中になれる仕事が目の前にあるというのが最高の幸せですね。安心できる仕事もいいんですけど、そうではなくて、今までやってないような仕事をいただいたら、チョー張り切って、もっともっと若がえってしまいますよ。
そしてやっぱり、いい歳のとり方ですね。ただ「変らないね、若々しいね」と言われるんではなくて、歳相応でいいから、内容の充実……。だから、いい笑顔の老人、魅力あふれる老女になるのが目標ですね。