株式会社

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株式会社(かぶしきがいしゃ 英:stock company)とは、会社法に基づき有限責任社員(株主)のみからなる会社のことであり、出資者たる株主は出資額に応じて株式を取得し、配当により利益を得る。広義には外国における同様の企業形態(後述)も含める。

目次

[編集] 概説

[編集] 株式と株主

株式会社に出資することにより株式を有する者(すなわち株式会社の社員)を株主という。株主は購入した株式の数に応じて、株式会社の経営に関与する事ができる(経営参加権)。具体的には株式会社の意思決定会議である株主総会において、原則として株式の保有数、またはその保有単元数に応じて議決権を持つ(株主平等の原則)。

かかる構造の法人形態は、アメリカ合衆国各州におけるビジネス・コーポレーション(business corporation)、イギリスにおける"limited company"(直訳すると「有限会社」),ドイツ等における"Aktiengesellschaft"(直訳すると「株式会社」) 、フランスにおける"société anonyme"(直訳すると「匿名会社」)など日本以外の世界各国に存在する。

[編集] 株主

株式会社は株式を発行して出資を募り、株主は転々流通する株式を購入することによって会社に出資することを目的として設計された制度である。法律学において社員とは、社団の構成員である出資者(株式会社においては「株主」)のことを指す言葉であり、一般的な用法である従業員のことを指す言葉ではない[1]。従業員とは一般に、会社との間で雇用契約を締結している者を言い、社団構成員としての意味の社員とは別の概念である。

[編集] 商号

株式会社は商号においては、商号中に「株式会社」を含むことが必要である(会社法6条2項など)。通常の表記では(株)と略すことが多い。この場合、「株式会社」の4文字は商号の先頭にあっても、末尾にあっても、中ほどにあってもよい。商号の末尾にある例(○○株式会社、いわゆる「後株」)、先頭にある例(株式会社○○、いわゆる「前株」)が通常である。

英語表記の場合には、「株式会社」をそのままローマ字表記にして頭文字を取ったKK(Kabushiki Kaisha) の他、米国や英国に倣ってCorp.Inc.Ltd.とすることが多い。なお、厳密にはCorp.(Corporation)やInc.(Incorporated)は、米国各州の会社法に基づき設立された法人が使うものであり、日本の会社が使うのは用法上間違いではある。また、日本の英和辞典では、Ltd.(Limited)は英国に於ける有限責任会社というような意味となっているが、英国国内に存在するLtd.は未上場会社のみが使用することが可能であり、上場会社の場合はPLC(Public Limited Company)を使用しなければならない。よって、上場会社が英国式の英文商号としてLtd.を用いることは、厳密には誤りである(オーストラリアなど英国以外の場合は、これに限らない)。

日本においてはCo., Ltd.の形もよく使われているが、最近では米国の風潮にならい、カンマを外したCo. Ltd.の表記を採用する企業もある。

[編集] 起源

世界初の株式会社
  • オランダ東インド会社 - 1602年3月20日に設立され、株式会社の制度を本格的に導入。それ以前は航海ごとに「座」を開き出資を募る、「当座会社」と呼ばれる形態の会社しかなかったが、リスク分散と恒常的な活動を目的に、当座会社の代表を中心に設立された。
日本初の株式会社

[編集] 日本の株式会社

[編集] 株式会社の設立

会社法第2編第1章 設立に規定がある。


[編集] 設立の種類

  • 発起設立
    発起人が発行する全ての株式を引受け設立後の株主となる設立方法のこと(45条1項1号)。
  • 募集設立
    発起人が発行する全一部の株式を引受け、残部は、募集を行い発起人以外の者が株式を引受け、発起人と発起人以外の者が、設立後の株主となる設立方法のこと(45条1項2号)。

[編集] 発起人

株式会社の成立後は、錯誤、又は詐欺若しくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの無効又は取消しをすることができない(51条)。
株式会社の設立の企画者として定款に署名する者を言う。擬似発起人とは、募集広告等で設立を賛助する者を言い発起人とみなされる(103条2項)。
  • 責任
    • 不足額填補責任(52条
    • 任務懈怠責任(53条
    • 会社不成立の責任(56条
    • 募集設立の発起人の責任等(103条

[編集] 定款の作成

  • 発起人が定款を作成し、発起人全員が署名し、又は記名押印しなければならない(26条)。

[編集] 設立時発行株式

  • 設立時発行株式に関する事項の決定(32条
  • 設立時発行株式の株主となる権利の喪失(36条)。
期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。
  • 発行可能株式総数の定め等(37条
  • 設立時発行株式を引き受ける者の募集(57条)。
  • 設立時募集株式の払込金額の払込み(63条)。

[編集] 創立総会

  • 募集設立の場合に発起人が、設立時募集株式の払い込み後招集する、設立時株主の総会(65条)。
  • 創立総会の決議(73条)
創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の2/3以上に当たる多数をもって行う。
  • 延期又は続行の決議(80条)
  • 種類創立総会(84条)

[編集] 設立時役員等

  • 設立時役員等の選任は、発起設立では発起人の議決権の過半数をもって決定し(40条)、募集設立では、創立総会の決議によって行わなければならない88条)。
  • 設立時取締役は、選任後遅滞なく、設立事項を調査しなければならない(46条93条)。

[編集] 株式会社の成立

  • 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(49条)。
  • 株式会社は、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない(435条)。
  • 株式会社の設立の登記(911条

[編集] 設立無効の訴え

  • 会社の設立の無効は、会社の成立の日から2年以内に訴えをもってのみ主張することができる(828条1項1号)。
  • 会社の設立の無効の訴えは、設立する会社を被告として訴え(834条)、認容判決が確定したときは、、将来に向かってその効力を失う(839条)。

[編集] 株式会社の機関

[編集] 基本構造

[編集] 1950年商法改正

日本のかつての商法における株式会社は、従来(1950年(昭和25年)改正以降)、全株主により構成される株主総会の下、株主総会により選任された取締役及び取締役により構成される取締役会、取締役会により選任される代表取締役、並びに株主総会が選任する監査役によって構成される。これを、株主総会=国会、取締役会=内閣、監査役=裁判所になぞらえ三権分立モデルという。

[編集] 委員会等設置会社の導入

日本の株式会社は、代表取締役の権能が非常に強く、株主が軽視されがちであるとの主に欧米の機関投資家からの批判を受け、コーポレートガバナンスの観点から、米法型の委員会等設置会社が2003年4月、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)改正により規定された。委員会等設置会社に対して、従来の株式会社を呼称する場合には監査役設置会社といった。

[編集] 会社法による変化

2005年の会社法の成立により、従来の有限会社の枠組みに属するタイプの会社が株式会社の基本的な形態とされることになったため、取締役会の設置も任意になった。その他会社の機関構造の自由度は飛躍的に増加した。また委員会等設置会社は委員会設置会社に名称が改められた。

[編集] 株主及び株主総会

株主総会は株式会社における最高意思決定機関であるが、非常に多数の株主により構成されることを想定している(例外として、日本特有の小規模な株式会社や、一人会社がある)。よって、株主ら自身によって会社を運営してゆくのは効率的とはいえない。そのため会社の日常の業務は、株主総会において選任された取締役で構成する取締役会に委任することとなる。これを「所有と経営の分離」という。つまり株式会社の究極的な所有者は出資者である株主だが、日常的な業務については取締役会、およびさらにそこから日常業務を委任された代表取締役といった経営陣が執り行う。

株主は、株主総会における議決権の行使の他、帳簿閲覧請求権差止請求権株主代表訴訟などを通じて会社の経営を監視することができる。

[編集] 取締役及び取締役会

取締役会は会社の業務執行に関する会社の意思を決定し、各取締役の職務執行を監視する。株式会社における取締役は取締役による合議体である取締役会を構成し、意思決定に参加するのみで、取締役会で決定されたことを具体的に執行するのは代表取締役または、業務担当取締役もしくは業務執行を委任された取締役である。

2005年成立の会社法においては、取締役会は任意の設置機関となった。これは従来の有限会社の機関構造が会社法における株式会社の基本的な機関構造とされたことによる。

[編集] 監査役

監査役は会社の帳簿や財産内容を調査したり、取締役の違法行為を取締役会や株主総会に報告するなどして会社の業務が適正に行われているかどうかを監査し、会社と株主の利益を保護する役割を負う。

[編集] その他

会社の規模やそれぞれの需要に基づいて、会計監査人検査役会計参与などの機関が設置されることがある。株式会社が解散し、清算手続に入った場合は清算人が置かれる。

[編集] 株式会社の資金調達

[編集] 株式会社の解散

株式会社が、活動を止め財産の整理し、清算することをいい、法人格は、合併の以外では清算手続の完了まで存続する。

  1. 定款で定めた存続期間の満了
  2. 定款で定めた解散の事由の発生
  3. 株主総会の特別決議
  4. 企業合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
  5. 破産手続開始決定
  6. 解散命令(824条)又は解散請求(833条)による解散を命ずる裁判
株主総会の決議による解散:2002年雪印食品株式会社

[編集] 株式会社の清算

清算中の株式会社は清算株式会社と呼ぶ。清算が結了するまでは、清算株式会社は、株式会社として(解散の決議後なども)存続し、、定期株主集会も開かれ(491条)、原則として清算結了の登記を行うことで、株式会社は消滅する。

  • 解散した株式会社の合併等の制限(474条
  • 清算からの除斥(503条


特別清算
清算手続の特則として、清算中の株式会社に債務超過の疑いがある場合などには、倒産処理手続の一種と分類される特別清算の手続が利用されることとなる。
会社法(平成17年法律第86号)第2編第9章第2節第1款により規律され、解散して清算手続に入った株式会社について、清算の遂行に著しい支障を来す事情がある場合や債務超過の疑いがある場合に、清算人が裁判所の監督の下で清算を行う手続である。会社法に組み込まれている手続であり独立した法典が存在しないが、倒産四法制の一つとして位置づけられている。破産手続と異なり、原則として従前の清算人がそのまま清算手続を行う。

[編集] 関連する法律

[編集] 英語における株式会社の呼称

現在では、イギリス風の直訳である①stock companyが比較的標準的な訳語であるが、他にも、②stock corporation、③business corporation、④joint-stock companyなどの訳語も用いられる。②はアメリカ風の直訳であり、③はアメリカ各州の法において株式会社を指す表現である。④は、英米法に存在する概念で、かつ、直訳に近いが、イギリス法とアメリカ法では内容を異にするとはいえいずれも株式会社とは似て非なる概念であり、誤解を招くため避けるべきとの指摘がある。 なお、以上とは別に、必要に応じてkabushiki kaishaと呼ぶこともある。


[編集] 英文での商号

外国との取引の際に便利なように、英文での商号を定めている日本の株式会社もある。ただし、日本に英文商号を規制する法律や登記する制度はない。日本の株式会社が定める英文商号の中で、「株式会社」の翻訳として通常使われているのは、以下の4種類である(実例とともに示す)。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 会社は社団であり、社団の構成員を社員という。社団法人、医療法人社団などにおいても同様である。