「釉薬工房」で学ぼう あい工房
Vol.01 自分の釉薬を作ろう 04/10/11更新
・釉薬作りとお料理は似ている
釉薬作りの道具は、料理用品が重宝することが多いです。ミキサーやゴムベラ、エプロンやマスクにスプーン、電子はかりや計量カップなどなど(必ず料理用とは別に用意してください!)。予めレシピがあったり、道具が共通だったり、釉薬調合は料理と結構似ています。最後に焼いて完成!というところもそうですね。焼き加減も重要ですし。原料の違いは、材料の違い、原料の加減は材料の加減、そう考えると、けっして釉薬作りが特別なことではないことが分かります。お料理感覚で釉薬作りも楽しんでみましょう。調合時には、いろいろと安全上注意が必要になりますが、ここでは割愛させていただきます。
・釉薬を自分で作るメリット
釉薬を自分で作るメリットには色々あります。代表的なところでは
・安く釉薬が手に入る。
・自分だけの釉薬が手に入る(調整ができる!)。
といったことでしょうか。多くの人は、後者だと思います。前者の場合は、最近では調合の参考書やインターネットの普及によって、多くのレシピが存在していますので、その通りに混ぜれば簡単に実現することが出来るでしょう。ただし、上で書いた料理の話と同じで、個人の好みや焼き方によって、いろいろとアレンジして使うことが多いです。そんなとき、「釉薬工房」は非常に重宝します。
・釉薬を作りに化学知識は必要か?
原料の種類と役割さえ分かれば、後は実験を繰り返せばおのずと結果がでてきます。つまり、釉薬を作るためには、化学知識がなくても全く問題ありません。(危険な原料を含んでいるかどうかなどの判断は別です。)昔は、化学式などなかったのですから、当然といえば当然です。ただ、覚えなければいけない原料の種類や役割などが案外多く、それが原因で調合をあきらめてしまう方もいることと思います。
・化学知識のメリット
化学知識は必要ありませんといいましたが、なぜ釉薬の本を読むと必ずと言っていいほど化学のことがでてくるのでしょうか。それは、化学知識を利用すると、非常に効率的かつ安定した調合ができるからです。代表的なものが、よく出てくるゼーゲル式というものです。ただ、このゼーゲル式の計算や化学知識は、覚えようとしても寝てしまう方も多いことでしょう。これでは、本末転倒になってしまいます。
・化学のおいしいところだけを使う
化学知識が必要になるのは、原料の成分分析や、ゼーゲル式の計算がほとんどです。成分分析は普通の人はできませんから、通常ゼーゲル式の計算だけということになります。結果から釉薬を推測するときは、ほとんど化学知識は要りません。多種ある原料にくらべ、覚えることはずっと少ないです。「釉薬工房」では、計算部分はコンピュータが自動的に行いますので、結果の意味だけを覚えれば良いことになります。この辺については、後の連載で触れます。「釉薬工房」のメリットは、特に調合を変更する場合に大きく、元になった釉薬がどう変更されたかが目で分かります。(色が表示されるわけではありません)
・データの蓄積
釉薬を作るとき、よい結果がすぐに出るのならば良いのですが、なかなかそうもいきません。ですから、テストした配合の結果や焼成方法といったデータを蓄積していくことは非常に大切です。後々、そのときはいらなかった釉薬が欲しくなることはよくある話です。ノートや写真で管理するのもよいですが、「釉薬工房」でも、画像と調合内容をくっつけて保存できるので、データ管理が簡単に行えます。
・調合するにあたって
通常テストする場合、いきなり1Lも作ることはありません。失敗したときに困りますから。ただし、逆に少なすぎると、ちょっとした計測誤差や成分の偏りの影響がでやすくなるので、ある程度の量を作る(私の場合は50g程度が多いです)ことをお奨めします。(「釉薬工房」では、調合量の変更は簡単に行えます。)調合には、危険な材料を使う場合もあり、必ずマスクを着用するなどの注意が必要です。調合時の注意点やいらない釉薬の処理方法は等はVol.9や「釉薬工房」ヘルプ、補助説明の項を参照してください。
・焼成について
焼成は、実際に焼く窯で行うことが望ましいのですが、繰り返しテストをする場合、温度分布や雰囲気の安定性という意味から、電気窯でのテストが一番よいかもしれません。どちらにしても、焼成条件は必ず記録しましょう。また、焼成条件や粘土が変わると、ゼーゲル式が同じでも結果は大きく異なります。
参考文献へ 次回へ続く
番外 Vol.00 とにかく釉薬レシピを作る Vol.02 基礎釉を作る
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